旧耐震基準：震度5程度の中規模地震まで耐えることができるとされています。ただし、これは最低限の基準であり、実際には建物の状態や地震の特性によって異なる場合があります。
新耐震基準：震度6強から震度7程度の大規模地震まで耐えることができるとされています。新耐震基準では、より強い地震に対する耐震性が求められています。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

項目	旧耐震基準	新耐震基準
適用期間	1950年～1981年5月31日まで	1981年6月1日以降
耐震性能	震度5程度の中規模地震で倒壊・崩壊しない	震度5程度の地震ではほとんど損傷せず、震度6強～7程度の大規模地震で倒壊・崩壊しない

旧耐震基準は1950年から1981年5月31日までの建物に適用され、震度5程度の地震に耐えることが求められていました。一方、新耐震基準は1981年6月1日以降の建物に適用され、震度5程度の地震ではほとんど損傷せず、さらに震度6強から7程度の大規模地震にも耐えることが求められています。

今回の能登半島地震で、新耐震基準の家が倒壊した理由は？

能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市正院町において、新耐震基準に基づいて建てられた住宅が全壊した理由について、金沢大学・地震工学研究室の村田晶助教の分析を基に、わかりやすく説明します。

過去の地震による疲労蓄積: 珠洲市では、過去に震度6強や震度6弱の地震が発生しています。これらの地震により、新耐震基準の住宅であっても、建物に疲労が蓄積されていた可能性があります。繰り返しの地震は、建物の耐震性を徐々に低下させることがあります。
耐震基準の改定と建築時期: 耐震基準は時間の経過とともに何度か改定されています。したがって、住宅が建てられた時期や、改築時に耐震補強が行われたかどうかによって、その耐震性には差が出ます。1981年の新耐震基準導入後に建てられた住宅であっても、その後の基準改定により、より高い耐震性が求められることがあります。
建物の形状と地盤の状態: 建物の形状や建てられている地盤の状態も、地震時の被害に大きく影響します。四角い形の建物は揺れを均等に分散しやすく、耐震性が高いとされます。しかし、不均等な形状の建物や、地盤が柔らかい場所では、地震の揺れが集中しやすく、被害が大きくなることがあります。

以上の点から、新耐震基準の住宅であっても、過去の地震による疲労、建築時期や改築の有無、建物の形状や地盤の状態などによって、大きな地震で全壊する可能性があることが理解できます。

不動産オーナーが確認するポイント3点！

マンションは旧耐震基準と新耐震基準どっちが良いの？

出来れば、2000年以降のマンションがおすすめです。
1981年以降の新耐震基準ではなく、2000年以降に改正された新耐震基準があります。

耐震・免震・制震構造？の確認方法は？

耐震・免震・制震構造の確認方法は？

現在日本で広く採用されている構造は、耐震構造です。多くのマンション建設にも用いられています。一方で、制震や免震構造は建設コストが高いため、主にタワーマンションや高層マンションに限定されている傾向があります。

＜確認方法＞
まずは、管理会社の方に聞いてみてください。

また、免震であれば、自分で確認できる方法があります。住宅の品質や安全性を知るためには、「住宅性能表示」をチェックすると良いでしょう。この制度は2000年に始まり、現在では都心の新築分譲マンションの約70%がこの表示を採用しています。
この表示には様々な評価基準がありますが、特に「構造の安定」の項目を見れば、そのマンションが免震構造を採用しているかどうかが分かります。具体的には、「1-3その他（地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止）」の部分を確認すれば、免震工法が使われているかが一目でわかります。これにより、専門家でなくても簡単にマンションの耐震性を確認できます。

耐震、制震、免震構造について

耐震、制震、免震の各工法は地震に対するアプローチが異なり、それぞれに特徴があります。これらの違いと、どの工法が優れているかについては一概に言えませんが、以下にわかりやすく説明します。

耐震工法: 現在日本で最も普及している工法です。この工法は、建物自体が地震の力に耐えるように設計されています。多くのマンションや一般住宅で採用されており、大地震にも一定の耐久性を持ちます。
制震工法: 地震のエネルギーを吸収または減衰させることで、建物への影響を軽減する工法です。この工法は、地震の揺れを抑えることに特化していますが、建築コストが高いため、主に高層マンションなどの大型建築物に採用されます。
免震工法: 建物と地盤の間に特殊な装置を設置し、地震の揺れを直接建物に伝えないようにする工法です。これにより、地震の影響を大幅に軽減できますが、やはり建築コストが高く、高層マンションなどに限られることが多いです。

東日本大震災のような大規模な災害では、耐震構造の建物でも多くが地震に耐えました。しかし、津波による被害が大きかったため、地震だけでなく津波への対策も重要であることが示されました。

結論として、耐震、制震、免震の各工法はそれぞれ異なる特性を持ち、建物の用途や立地、予算などに応じて適切な工法を選択することが重要です。

地震に強いマンションの形は？

地震に強い形状は、下記の2点が強いと言われています。
上から見た時の建物の形「平面形状」が、長方形とロの字型のマンションです。

長方形: この形は全体が一体となって揺れるため、地震の際に特定の部分に過度の力が集中することが少ないです。
ロの字型: この形状も同様に、地震の揺れを均一に受け止めることができます。

不動産オーナーが知っておくべきこと。地震に強いマンションの形状について

地震リスクが簡単にわかる方法はあるの？

東京の投資用マンションや住居用マンションがどれくらいの震災リスクなどの危険に晒されているかなどって、すぐにわかるものなのかしら？

はい、わかります。
ハザードマップを調べたり、「地震予測MAP　東京」で検索するとたくさん出てきます。

たくさん出てくるけど、住所をピンポイントで探すのって結構大変ね。固有のマンション名を入れただけで地震リスクがわかるサービスがあったらいいな。

はい、ございます。東京のマンションについてはすぐわかります。

「Dr.Assetマンションリスク」というサービスが便利です。

また、投資用・住居用マンションを探している方は、「Dr.Assetレコメンダー」がおすすめです。
好きな条件を登録した後、おすすめのマンション情報が配信されます。そのマンションごとに、地震リスク評価がAからEで示されます。