【2025年最新版】「THE都心!」での子育ては可能なのか?

目次
第1弾:新宿区の子育て事情を徹底検証
東京の中心、新宿区。
高層ビルが立ち並ぶビジネス街と、情緒あふれる神楽坂や早稲田の住宅街。
一見「子育てには向かないのでは?」と思われがちですが、実際には行政支援の充実と住環境の多様性から、都心でも子育てを続けられる街として再評価されています。
新宿区は子育てしやすい街なのか?
新宿区の特徴は、「圧倒的な利便性」と「多様な暮らし方が共存」していること。
新宿駅を中心に、千代田区・文京区・中野区・渋谷区などに囲まれた立地で、通勤・通学アクセスは23区でもトップクラスです。
一方で、早稲田・牛込・市谷などには昔ながらの住宅地が残り、都心にいながら落ち着いた生活を送れるエリアもあります。
子育て支援制度も年々拡充されており、待機児童ゼロの継続や夜間預かり制度の充実など、働く家庭に寄り添う施策が目立ちます。
新宿区の主な子育て支援制度(2025年時点)
区の制度 | 内容概要 |
---|---|
子ども家庭支援センター | しつけ・発達・食事など子育て相談を一括対応。来所・電話・オンライン相談に対応。 |
出産育児一時金 | 出産1人につき42万円支給(国制度)。死産・流産でも条件を満たせば支給。 |
子ども医療費助成 | 高校生相当(18歳)まで医療費の自己負担分を助成。 |
産前産後支援ヘルパー派遣 | 家事・育児支援を必要とする家庭に援助者を派遣。1時間1,000〜1,500円(減免あり)。 |
ひろば型一時保育 | 6か月〜就学前まで、1回4時間まで利用可。理由を問わず一時的な預かりに対応。 |
ショートステイ/トワイライトステイ | 親が病気・出張・夜勤時に、児童福祉施設や協力家庭で一時預かり(夜間22時まで対応)。 |
ファミリー・サポート・センター | 送迎・一時預かりを地域の登録会員同士で支援する相互援助制度。 |
特徴:新宿区は「一時保育・短時間預かり・夜間支援」が他区よりも多層的。
フルタイム共働き世帯にも利用しやすいメニューが揃っています。
保育園・待機児童の現状(2025年版)
年 | 申込者数 | 待機児童数 |
---|---|---|
2013 | 1,512 | 176 |
2014 | 1,678 | 152 |
2015 | 1,830 | 168 |
2016 | 1,936 | 58 |
2017 | 2,065 | 27 |
2018 | 2,241 | 25 |
2019 | 2,100 | 2 |
2020 | 2,140 | 1 |
2021 | 1,879 | 0 |
2022 | 1,732 | 0 |
2023 | ― | 0(継続) |
2024 | ― | 0(継続) |
2025(見込み) | ― | 0(継続見込み) |
2021年以降、新宿区は4年連続で待機児童ゼロを維持。
共働き世帯が多い地域でゼロを継続できているのは、認可・小規模・企業主導型保育の複合整備が成功している証拠です。
ただし、「ゼロ=希望園に必ず入れる」わけではなく、人気エリア(若松町・神楽坂周辺など)では依然として高倍率。入園調整指数や年齢枠は事前に確認が必要です。
教育・医療・生活インフラの充実度
- 教育:早稲田・落合・戸山などには文教地区があり、公立小中学校の評判も安定。区立中学の英語教育拡充など、学習支援にも力を入れています。
- 医療:区内には東京女子医科大学病院や国立国際医療研究センター病院など大型医療機関があり、小児科・救急医療体制は23区上位クラス。
- 買い物・交通:スーパー・薬局・公園が徒歩圏に集中し、子育て世帯の生活導線が短い。
- 子育て支援施設:「子育てひろば」や「赤ちゃんの駅」が100か所以上設置され、授乳・おむつ替えなどの外出支援が充実。
治安:繁華街と住宅地で表情が異なる(2025年警視庁統計より)
新宿区の犯罪傾向(2024年度実績)
- 刑法犯認知件数:3,577件(前年比+8%)
- 粗暴犯(暴行・傷害等):約550件
- 侵入窃盗:85件前後
- 主な発生エリア:歌舞伎町・西新宿・大久保周辺
- 傾向:夜間・商業施設周辺での軽犯罪が集中。住宅街では比較的落ち着いた傾向。
まとめ:
新宿区全体では犯罪件数が多いものの、発生の大半は繁華街に限定。
住宅地である牛込・市谷・落合・神楽坂方面では、夜間の静けさと防犯パトロールの多さから、居住区の治安は安定しています。
共働き世帯が「治安で区を避ける」よりも、町丁目単位での安全確認を行うことが現実的です。
公園・レジャー環境(親子向けスポット)
名称 | エリア | 特徴 |
---|---|---|
新宿御苑 | 新宿区内 | 桜・芝生広場・温室もある国民公園。週末ピクニック定番。 |
新宿中央公園 | 西新宿 | フットサルコート・ジャブジャブ池あり。都心で自然に触れられる。 |
消防博物館 | 四谷 | 子どもに人気の体験型展示。雨天時でも安心。 |
東京おもちゃ美術館 | 四谷三丁目 | 木育エリアや赤ちゃん専用ルーム完備。 |
休日は、電車1本で代々木公園・明治神宮外苑にもアクセス可。
都心でも「緑」と「学び」を両立できる数少ない区のひとつです。
人口・将来性:上昇基調と再開発
- 総人口:約35万人。ここ10年で微増。
- 若年層・単身層が多いが、共働き・子育て世帯の定住化が進行中。
- 西新宿・高田馬場・牛込エリアでは再開発が進み、住宅・教育施設・商業が一体化する街づくりが進行。
- 人口増とともに地価も上昇基調で、資産形成の観点からも注目度が高い。
新宿区は、今後も数十年は人口増加が見込めます。
「人口が増えると、地価も上昇する」という人口と地価の相関関係は、国勢調査でも裏付けられているようで、不動産投資家にとっても、お住まいになる方にとっても、新宿区はオススメの区と言えそうです。

(出典:https://www.smtb.jp/others/report/economy/75_2.pdf)
新宿区の人口の、過去と未来予測のデータ

「新宿区の人口増加率表」
新宿区で子育てをする際のチェックポイント
- 保育園選びは「通勤経路」優先で
→ 中央線・大江戸線沿線は園数が多く、送迎動線が確保しやすい。 - 夜間の街灯・交番距離を確認
→ 特に大久保・新宿三丁目・早稲田通り沿いは時間帯で雰囲気が変わる。 - 子ども医療費助成やファミサポ登録は早めに
→ 区内で利用者が多く、年度初めの混雑時期を避けて申請を。 - 住宅選びは「静かな通り×アクセス重視」で
→ 都心でも住宅密集地の奥は静穏で暮らしやすい。
まとめ:都心で“子育てを諦めない”ための選択肢
新宿区は、
- 保育・医療体制の充実
- 交通利便性の高さ
- 夜間対応型支援の多さ
で、共働き世帯のリアルな生活を支える制度設計が整っています。
一方で、エリアによっては繁華街特有のリスクもあるため、
「職場に近い+生活が落ち着く」エリアを町単位で選ぶのがコツです。
都心でも、選び方次第で「子どもをのびのび育てられる暮らし」は実現できます。
新宿区はその代表的なモデルケースになりつつあります。
参考出典
- 新宿区公式サイト・子ども家庭部各種統計
- 東京都福祉保健局「保育サービス状況報告(2024年度)」
- 警視庁 各警察署統計(2024年)
- 総務省統計局「住民基本台帳による東京都の人口」
過去のTHE都心シリーズ
「THE都心!」での、子育ては可能なのか?~第2弾~渋谷区の子育て事情に迫った!
「THE都心!」での、子育ては可能なのか?~第3弾~中央区の子育て事情に迫った!